大阪市住之江区の婦人用バッグ企画販売「株式会社モード・ファム」が弁護士一任 簿外借入発覚で対外信用が失墜

信用調査大手の東京商工リサーチによると、大阪市住之江区平林南の「株式会社モード・ファム」(代表取締役:植岡幸始)は7月29日、事業を停止し、事後処理を土谷喜輝弁護士(土谷法律事務所、大阪府大阪市北区西天満4-4-13 三共ビル梅新9階、電話:06-6311-2566)などに一任した。負債総額は約46億円が見込まれている。

同社は1986年に創業し、1987年に法人化した婦人用バッグの企画販売を事業とする会社。30代後半のミセス層を主要ターゲットとしてハンドバッグなどの皮革・合成皮革製品の自社企画ブランド「FISCH」「DELLA CLASSE」を展開し、主要百貨店や量販店、通信販売事業者などに販売していた。また、製造は中国や韓国で行っていた。

ところが、消費低迷が長引き、主要顧客であった百貨店業界の売上低迷の影響を受け、業容を縮小。量販店などへの営業を強化したものの競合が激化し、薄利での販売を余儀なくされたため採算は低調に推移し、2002年7月期には約30億円あった売上が2005年7月期には20億円を割り込み、2013年7月期には約14億3000万円まで減少。2013年4月頃には金融機関に返済猶予を申し入れる事態となっていた。

しかし、その過程で過年度の貸倒損失等の補填資金として元監査役が代表を務める会社から簿外で約30億円の借入を行っていたことが発覚。これにより決算内容に対する重大な疑義が生じ、対外的な信用が失墜。金融機関からの協調支援が得られないなか任意整理を目指し約2年間にわたり債権者に按分返済を続けていたが、限界に達したため今回の措置となったという。

【追記:2017年3月30日】
官報(平成29年3月1日 号外第30号)によると、同社は2月15日、大阪地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。事件番号は平成29年(フ)第383号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成29年5月25日午後2時、破産管財人には浜本光浩弁護士(きっかわ法律事務所、大阪府大阪市北区堂島浜1-4-16アクア堂島西館2階、電話:06-6346-2970)が選任されている。

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