愛媛県松山市の地図出版社「株式会社セイコー社」に破産開始決定 インターネット地図サービスの台頭で8期連続赤字に

信用調査大手の東京商工リサーチ及び官報(6875号)によると、8月31日に事業を停止し、自己破産の準備に入っていた愛媛県松山市本町の「株式会社セイコー社」(代表取締役:郷田ミチ子)は9月30日、松山地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。自己破産の申請代理人は野垣康之弁護士(野垣法律事務所、愛媛県松山市一番町4-1-16 むらかみビル3階、電話:089-913-1266)。事件番号は平成28年(フ)第273号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は平成29年1月19日午後1時30分、破産管財人は越智顕洋弁護士(一番町法律事務所、愛媛県松山市一番町2-5-20 藤倉ビル2階、電話:089-961-1447)が選任されている。負債総額は約4億円。

同社は1960年(昭和35年)に松山市幸町で「精工社」として創業し、1963年(昭和38年)8月に「有限会社精工社」として法人化した地図出版社。1964年に測量業登録を行うとともに松山市住宅地図を創刊し、以後各市町村の住宅地図の作成・販売を開始。1974年に株式会社に改組するとともに現商号に商号変更。その後、高松市や東京都などに営業所を開設するなど業容を拡大させていた。四国四県および東京都内の住宅地図「はい・まっぷ」を出版し、書籍販売会社、事業所を対象に販路を構築。また、官公庁などから特注地図の出版を受注するなど、愛媛県では地図出版最大手のゼンリンを上回るシェアを獲得し、ピークとなる1996年7月期には約6億6000万円を年間売上高を計上していた。また、当時は100名ほどの社員数が在籍していたという。

しかし、その後は主力の住宅地図がゼンリンなどとの競合激化により安値販売を余儀なくされるなどしたため減収で推移。さらに近年は、「Google Maps」などに代表されるインターネットの無料電子地図サービスの浸透から商況は悪化し、2008年頃から8期連続で赤字を計上していた。この間、2008年9月には約20名の従業員を解雇するなど固定費削減を行ったが、その後も業績低下に歯止めが掛からず、2015年7月期の売上高は約7400万円にまで縮小。2016年8月20日には創業者で前社長の郷田巖氏が死去し、先行きの見通しが困難となったことから今回の措置となったという。

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