岡山市中区の後発医薬品卸売業「日本医薬品中国販売株式会社」他3社に破産開始決定 日医工の販売代理店

信用調査大手の帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、岡山市中区浜の「日本医薬品中国販売株式会社」および関連会社の「日医工中国販売株式会社」(同所、同代表)と「株式会社日医工神戸」(神戸市東灘区、同代表)、「株式会社日医工四国」(高松市松島町、同代表)は2月9日、岡山地方裁判所に自己破産を申請し、翌10日に同地裁から破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には大林裕一弁護士(大林・松井法律事務所、岡山県岡山市北区蕃山町3-7両備蕃山町ビル4階、電話:086-221-0221)が選任されている。負債総額は日本医薬品中国販売が約45億円(東京商工リサーチ)または約50億円(帝国データバンク)、関連会社の日医工中国販売と日医工神戸がそれぞれ約15億円、日医工四国が約10億円と推計されており、4社合計では85億から90億円と推定される。また、データマックスでは約83億円と推計している。

日本医薬品中国販売は1965年7月に創業し、1969年8月に法人化した医薬品卸売業者。ジェネリック医薬品(後発医薬品)大手・日医工の代理店として循環器系医薬品の取り扱いを主体に事業を展開し、1974年の(株)日医工神戸設立以降は販売会社経由で東中国地区、関西地区、四国地区の各医療機関への販売基盤を整備。国のジェネリック医薬品の普及政策などもあり、同社の売上高も増加傾向にあり、2013年7月期には40億円を上回る年間売上高を計上していた。

その後も需要は安定していたものの、同業他社の経営統合など業界再編による競合激化や売り上げ拡大に伴う資金需要の増加のほか、同社及び同社創業家が行った不動産投資に伴う固定費や借入金が収益を圧迫して厳しい資金運営が続いていた。このため、金融機関に対して借入金の金利変更など返済条件の見直しを要請していたほか、不動産の売却や人員削減などの合理化を進めていたが資金繰りは好転せず、先行きの見通しが立たなくなったことから事業の継続を断念したという。

なお、ジェネリック医薬品大手の日医工は同社の自己破産申請に関してプレスリリース*1 を発表し、同社は取引先に過ぎず、資本関係等は一切ないと発表している。また、日医工は同社に対して約14億8500万円の売掛債権があるが、この債権についても同社に対する担保および貸倒引当金により全額保全されているとしている。


*1取引先の自己破産申立てに関するお知らせ(日医工株式会社、2017年2月10日、PDF文書)

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