新潟県阿賀野市の衣料品小売業「株式会社カワトー」に破産開始決定
官報(第1022号)によると、新潟県阿賀野市の「株式会社カワトー」(代表取締役:馬場 信夫)は7月10日、新潟地方裁判所新発田支部から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第64号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年10月11日午後1時30分、破産債権の届出期間は9月4日迄となっている。また、破産管財人には堀田伸吾弁護士(もりびと法律事務所、新潟県新潟市中央区上大川前通一番町154 新潟白山公園ビル2階、電話:025-201-6644)が選任されている。負債額は約1億4000万円。
同社は1979年11月に設立された衣料品小売業者。婦人服や紳士服、子供服を販売する「ファミリーカジュアルカワトー」を経営し、地域の学校指定の学生服や体操服なども取り扱い、新潟県内に複数店舗を展開していた1986年2月期には約7億円の年間売上高を計上していた。
しかしその後は、大型総合スーパーの出店やファストファッション店の台頭、購入形態の多様化などから売上を落とし、不採算店舗を閉鎖した結果、実店舗営業は阿賀野市内の本店のみに縮小。2003年には現代表の長男(以後、前代表)が代表に就任し、インターネット事業部を開設。自社サイトでの通販のほか楽天市場やAmazon、Yahoo!等に出店してネット販売を拡大。楽天市場には介護用品の販売店舖も開設していた。
しかし近年はネット販売においても他社との競争激化や新型コロナウイルス感染拡大の影響により販売が低迷。そのようななか、前代表が2021年5月に逝去したため、高齢の現代表が再度代表に就任し事業を継続するも2023年2月期の年間売上が約1億3000万円まで縮小。後継者不在のほか、資金繰りが限界に達したことから今回の事態となった。
