官報(第1013号)によると、東京都中央区日本橋茅場町の「株式会社マキノ出版」(代表取締役:室橋 一彦)は6月23日、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第3780号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年9月26日午前11時、破産債権の届出期間は7月28日迄となっている。また、破産管財人には安藤信彦弁護士(安藤総合法律事務所、東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング4階、電話:03-3597-7700)が選任されている。負債額は約15億7200万円。
同社は1974年4月設立の株式会社マイヘルス社を母体として1977年10月に設立された出版社。健康情報雑誌『壮快』『安心』『ゆほびか』や家電や文房具などの最新情報を紹介する商品情報誌『特選街』などの雑誌を中心に雑誌記事を編集した書籍やムック本の企画・出版を手掛けていた。同社は『壮快』だけで出版事業の売上の7割を占めるなど、中高年層に認知度が高く、雑誌別冊などの販売が好調だった2004年2月期には約36億1800万円の年間売上高を計上していた。
しかし近年は購買層の高齢化に加え、インターネットの普及や活字離れにより新規購買層の獲得が困難となったことなどから売上が低迷。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を理由に『特選街』を2021年10月1日発売号をもって休刊するなど2022年2月期の年間売上高は約14億5600万円にまで落ち込み、任意再建を目指してスポンサー探しを行っていた。しかし奏功せず、2023年3月に民事再生手続きに入っていたが、雑誌3点・書籍27点の版権と、「特選街Web」などのウェブサイト事業はブティック社に譲渡できたものの、その他の事業を承継するスポンサー企業が現れなかったことから今回の事態となった。

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