官報(第1012号)によると、静岡市清水区宮加三の「静寿工業株式会社」(代表取締役:小鍋 彰久)と関連の「株式会社グリーン・セイジュ」(同所、同代表)及び「マコジャパン株式会社」(静岡市清水区築地町、同代表)の3社は6月23日、静岡地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。事件番号は令和5年(フ)第268号・第270号・第271号で、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和5年9月20日午前11時15分、破産管財人には伊藤悠理弁護士(静岡・市民法律事務所、静岡県静岡市葵区伝馬町9-10 NTビル601、電話:054-252-9555)が選任されている。負債額は3社合計で約6億円。
静寿工業は1965年1月に設立された土木工事業者。下水道築造工事やトンネル工事など公共工事を主体に事業を展開し、ピークとなる1997年10月期には約12億円の年間売上高を計上していた。しかしその後は公共工事の件数減少に伴い売上を落とし、大型案件の受注に注力したものの奏功しなかった。そのうえ関連のグリーン・セイジュに対する多額の貸付が固定化し、業績の悪化に歯止めがかからなくなっていた。
グリーン・セイジュは1990年7月の設立。ヒートポンプを応用し、20~40℃程度の常温で乾燥させる『常温常圧濃縮』という特許技術を用いた常温乾燥機「KONAZO」の開発・販売を主体に、建設機械装置・車両運搬具・建設資材のリースなどを手掛けていた。しかしその常温乾燥機が販売不調だったことから静寿工業からの貸付が固定化する事態となっていた。
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マコジャパンのウェブサイト(Wayback Machineによるアーカイブ) |
マコジャパンは2014年9月に設立された野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業者。グリーン・セイジュの常温乾燥機の販売不調を受け、同装置をマーマレードなどの食品製造用に転換し、濃縮フルーツソースの製造・販売を主体に事業を展開するために設立された会社で、特許庁による地方創生のための事業プロデューサー派遣事業の支援により、辻口博啓氏や道場六三郎氏などからアドバイスを受け、プロユースのフルーツソース・コンサントレ・コンフィチュールを開発し、製造・販売していた。近年は都内のイタリアンレストランや高級かき氷専門店「氷屋bebe」などの高級店からも採用されていたが、前述の事態から静岡市内で中華料理店を営む有限会社金泉軒(静岡市葵区)に事業を譲渡し、今回の事態となった。
日本フルーツソース
https://fruitsauce.co.jp
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